先日出演させてもらったNHKはっけんラジオのキャスターのT本さんからメールが届いた。
内容は、
「よくわからないお誘いよいですか?
今月の16日木の18:30から、呉服町の「みねとこ」という店で、
ユニークなディレクターの少人数送別会があって、全員で7〜8人の会なんですが、
ディレクターも前回のラジオでマコさんに会いたがってたので、
よかったらいらっしゃいませんかというお誘いです・・・
63歳の少年のようなディレクター夫妻とブックスキューブリックのOさん、ディレクターの二人、私、美容師さんが時間次第っていうメンバーです。
ぜひ前向きにご検討いただければ嬉しいです」
と。
本当によくわからないお誘いだったけど、
今まで会ったことない方達に会えるワクワクと、
店名が「みねとこ」と書いてあるところに惹かれた。
「みねとこ」は、SNSでつながっている鉄平さんのお店。
かれこれ30年近く前、どんどん大きくなっていくSUNSET LIVEの構成の相談がしたくって、
音響会社のTさんからの紹介で鉄平さんと知り合った。
鉄平さんは憂歌団のマネージャーだった方と聞いている。
初めて会う日(90年代の中頃だったと思う)に、ソラリアの一階入り口で待ち合わせた。
鉄平さんはかなり遠方から天神に向かっていたようでずいぶん待たされ、
一緒に待っていたサンセットのオーナーは痺れを切らして帰ってしまった。
その後、天神をぶらぶらしていた私の携帯に連絡が入って(当時はまだ誰もが携帯を持っていなかった)やっと鉄平さんに会えた。(鉄平さんは今回も遅れて登場だった)
あの日、初めて会ったにもかかわらず、一緒にご飯を食べて、
西中洲のCANDYで歌って、
最後に「リツコさんという人がやってた店でいい店でね」と連れて行ってもらった店は、
私も行きつけのRITZだった。
そんなことを思い出しながら「みねとこ」へ向かった。
「みねこと」にメンバーが揃い出した。
間もなく退職されるという主役のディレクターは本当に少年のような方だった。そして新宿ゴールデン街で働いていたという奥様は私と同じ匂いがするようで、すぐに好きになった。
まずは乾杯をというところで、少年ディレクターはまだ到着していない鉄平さんに乾杯の音頭をとってほしかったようで、
「じゃぁ代役でお願いします」
と元支局長の上司に言うと、
「だからそういうとこがダメなんだってば!」
と奥様に間髪入れずに怒鳴られていた。(もう、この一言ウケた!)
しかし、言われた上司はにっこり顔の松重豊といった風で、何も気にせず乾杯の温度をとっていた。さすがだ。
少年ディレクターは、ディレクター業が染み付いて自分の思う構成で場を盛り上げたかったんだろう。それもわかる。
それぞれの自己紹介。
T本さんは、私の本をみんなの前で広げて見せて私の紹介をしてくれた。なんとありがたいことよ。あの日のラジオは本当に楽しかった。それがここまで尾を引くなんて・・・
T本さんの隣にはキュートな女性ディレクター。T本さんとの番組作りがどれがけ楽しかったかを話してくれた。こんな可愛い感じに年を重ねるのって素敵だな、とうっとり。
その隣にはけやき通りの本屋さんのOさん。初めてのラジオ出演の経緯や、映画「悪人」でロケ地になった時のこと、本屋にまつわる話、もっともっとお聞きしたかった。
少年ディレクターの上司は随分前に退職されて、夢に向かっているお嬢さんを応援しながら、「今は妻とお互い傷つけ合いながら生きてます」の一言。(これ又ウケた!)
なんて楽しい大人達の会話なんだ!
ここでもう一度、鉄平さんの音頭で乾杯、祝いめでたまで。
鉄平さんは、ここに私が参加していることにびっくりしていた。それは私もだ。
「みねとこ」名物のもやし鍋。
もぐもぐも、おしゃべりも止まらない。
美味しいお鍋の後は、以前角打ちだった高い二階から記念撮影。
あまりに楽しい宴の終盤、子供の頃日曜日の夜に手拍子とカントリーミュージックで始まる「素晴らしき仲間」という番組があっていたのを思い出した。
大人達の楽しい宴の様子をブラウン管越しに見て、いつか私もあんな楽しい大人になりたいなと思ったものだ。今夜夢が一つ叶った。
夢は思っておくといつか叶うような気がする。
まだまだ私の夢は色々ある。
その夢にまた一つ近づけたような夜だった。