土曜日, 1月 05, 2013

お正月と母の後ろ姿
















こんなにふてぶてしく大きくなってしまった私にも小さな頃はあり、
そんな少女だった頃のお正月を思い出すときに、
必ず母の後ろ姿が脳裏に浮かぶ。


我が家のお正月は
いつも決まって父方の祖父母の家に年末から帰省する。
祖父母の家は筑豊の炭坑町の駅前にある仕出し屋兼食堂。
なので、おせち料理はどれも手作りで豪華なものだった。
多いときには親戚が2~30人くらい集まっていたのかなぁ


大晦日の夜、家族みんなが紅白をやんやと見ている時も、
元旦や三が日に、家族みんながいい気分になっている時も、
ふと気がつくと母の姿がない。


家族がそろっている床の間の部屋を出て
襖二つ向こうのお店のお座敷から
下履きを履いて、
みんながいるところよりも幾分気温の低いお店の台所に向かうと
辛そうな感じはみじんもなく
ただ 黙々とお皿を洗ったり
お燗をつけている母の姿。


いつもいつの年もそうだった。
そしてこの母の姿を子供ながらに、
なんて美しいんだろう
と思ってみていた。


こんな母を見て育ったせいでしょうか、
私もお店でいろんな方がくつろぐ中、
お食事を作ったり
お皿を洗ったりしているのが大好きです。
母の何分の一でもいいから
美しくなれたらなぁと、お正月が来るたびに思います。

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